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<芸術のフロンティア>
時代の舞台の中央に躍り出てきた、彼らをはじめとする新しい富裕層は次に、自分たちの余暇を薫り高い芸術で飾ることを欲した。
ニューヨークの名門・メトロポリタン歌劇場(上下写真)は、その要望に応えて1883年に開館したわけであるが、そこで喝采を浴びていた花形はといえば、イタリア人テノール、イタロ・カンパニーニであり、スウェーデンのソプラノ、クリスティーネ・ニルソンであり、ドイツの名歌手リリ・レーマン(註5)だった。彼らを飾る衣装にしたって、ヴェネツィアやパリなんかからの取り寄せ物。コーラスもオーケストラもメンバーはイタリア人だらけで、それを束ねる指揮者もまた、ドイツ生まれの辣腕アントン・ザイドル(註6)、といった具合であった。
開館間もないこのアメリカのオペラハウスで、やたらな頻度でワーグナーが、それも原語であるドイツ語で上演されていたのも、そういった背景からはむしろごく自然のなりゆき、とさえ思える(註7)。 |

ソプラノ歌手
クリスティーネ・ニルソン

指揮者
アントン・ザイドル
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