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スペイン・アンダルシア地方のとある村にて
−村祭りの日(夕方近く)−
さて、先ほどから2時間ばかり経過したでしょうか・・・
なんと代官が夫人を伴わず、供の2人の警官のみを従えて戻ってきました。
相変わらず偉そうな態度でふんぞり返っています。
「ぐふふっ!
愛しのフラスキータよ。戻ってきたぞ! (2人の警官に向かって)ビッグス!ウェッジ!
周りの見張りは頼んだぞ!」
「はっ!(って、何でこんな・・・)」「かしこまりました!(って、アホくさ・・・)」
その様子は遠くから見ていたルーカス夫妻にもよくわかりました。
「おい! 代官が戻ってくるぞ!
あのスケベそうな面構え・・・
100%おまえが目的だな・・・」
「ふふっ・・・
面白そうじゃない・・・
ねえ、ねえ、こうしない・・・」
フラスキータは代官をからかういい手を思いついたようです。
ルーカスにそっと耳打ちをしました。
「・・・と、いうこうとで・・・」
「そいつぁ面白い! 頼んだよ!
誘惑の魔女さん!」
「はいきたっ!」
と、フラスキータは家を出て、いきなり代官の来ている前で、男を誘うような情熱的なファダンゴ(スペイン舞曲の一つ)を踊り始めました。
<これが「三角帽子」の主要舞曲の一つ「女房の踊り」です。>
木の陰から、代官はその踊りに見入っていました。
「おお〜
なんという華麗なる踊りじゃ〜
ますます惚れたぞい、フラスキータ・・・
(ムラムラっときて・・・)
ウヲヲヲっっ・・・!
もうぐぅわまんできぬうっっ・・・!」
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なんと、代官は我慢できずにフラスキータに向かって猛ダッシュしてきました!(と言っても、動きのすごく鈍い人でしたから、全然スピード感はありませんでしたが・・・)
「(あらっ?
向かってきてるわね・・・
ようし、第2弾いきますか・・・)」
フラスキータは踊りながら一時庭先まで退き、庭になっていたブドウを一房ずつ手に持って、襲い来る(?)代官を迎えました。
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「あ〜ら、お代官様〜、このブドウを食べたいのですか?」
「おお〜
このおいしそう〜なブドウが欲しくて欲しくてワシはもう・・・(フラスキータを抱きしめようとする)」
「(さっと身をかわして)あ〜ら、この食べ頃ブドウ、簡単にはあげられませんわ〜」
「(さらに抱こうとして)おお〜
そんなこと言わずに〜(さらに回り込む)」
「(また身をかわして)もう、せっかちは嫌われますわよ!」 | にじり寄ってはかわし、また飛びつこうとすれば後ろに避ける・・・
そんなことを繰り返す内に代官は疲れ果ててしまいました。
「ハア、ハア、ま、待てというに・・・
お願い・・・ まっ、待って・・・ ハレハレェ・・・(目が回って倒れる)」
ついに代官は倒れて身動きがとれなくなりました!
「(わざとらしく)おやまあ、大丈夫ですかい!
お代官様!」
ルーカスは倒れている代官に近寄ってきて、いたわるふりをして、代官を起きあがらせました。
「あ〜あ、お服がこんなに汚れてしまって・・・
こうしてはたいてあげましょう!(箒で殴るようにはたく)」「イテッ!
痛いというに・・・!」
「まあ、ごめんなさいませ!(同じくエプロンで叩くようにはたく)」
「ブヘッ! ブヘヘッ・・・!
おのれぇ〜 ワシをバカにしおってぇ〜」
ようやく、代官が夫妻の悪戯に気づいたようです。
「お、おぼえとれよ〜
(向こうで見張りをしていた2人の警官に向かい)おい!
ビッグス、ウェッジ! 帰るぞ!(這々の体でよろよろと去る)」 |
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代官が警官に支えられて去ろうとしたとき、2人の警官はキッと夫妻を睨みました。
「(これで済むと)」「(思うなよ・・・)」
でも、ルーカス夫妻にとっては何のその!
代官をギャフンと言わせた喜びで、二人は仲良く踊って成功を祝うのでした・・・
この後の代官の反撃を知らず・・・
<第2幕に続く>
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